大企業が安泰な時代は終わった?【中小に比べたら全然安定してるよ】

大企業が安泰な時代は終わった?

こんにちは。40代・ジョブホッパーのてつです。

最近、新聞やネット上での記事で、大企業の先行きが不安な記事をよく見かけます。

  • 「大企業が安泰な時代は終わった」
  • 「大企業はもはや安定じゃない」

あなたもこんな見出しの記事、見かけませんか?

確かにこれらの言葉、あながち間違いではないでしょう。

協和発酵キリンは5日、45歳以上の社員を対象として希望退職者を募集すると発表した。対象となるのは現時点で生産本部に所属する社員を除く、4月1日時点で45歳以上かつ勤続5年以上の社員。同社が希望退職者を募集するのは初めてという。3月11日から28日まで募集し、6月末での退職を予定する。
(略)
国内では早期退職を実施する製薬会社が相次ぐ。大正製薬ホールディングスは創業以来初の募集に948人が応募。アステラス製薬も600人、エーザイも100人程度を募集している。
協和発酵キリン、希望退職者を募集  :日本経済新聞

こんなニュースを見たら、「大企業は安泰じゃない!」と普通は思います。

でも、大企業が安泰かどうかって、早期退職制度だけを見て判断するのはよくないと私は思います。

少なくとも、中小企業の雇用面と比較したら、大企業の方が断然安定していますからね。

実は大企業が早期退職制度を実施してきたのは、ここ最近、始まったことではありません。昔からよくあることなんです。

私はこれまで、大企業と中小企業で、正社員の立場を経験してきましたが、なんだかんだ、大企業のほうがやっぱり安定していると思っています。加えて、派遣社員としても、大企業と中小企業の両方で働きましたが、やっぱり派遣社員であっても、大企業の方が安定していると実感しています。

もちろん、安泰・安定と感じられるのは、給料や雇用の部分だけですけどね。心の安定は別ものです。

本記事では「大企業が安泰ではなくなった」という最近の風潮に対し、私なりの考えをまとめました。

大企業で働くことについて考えるあなたの参考となれば幸いです。

大企業は中小に比べれば安定している理由

大企業は中小に比べれば安定している理由

倒産件数が少ない

2019年4月現在、東京証券取引所の上場企業数は3,662社です。なお、名証は66社、福証は20件、札証は16社です。上場企業数の合計は3,764社になります。

これに対し、2018年の上場企業の倒産件数は東証の1件のみ。

2018年の上場企業の倒産は、6月に会社更生法を申請した海洋掘削事業の日本海洋掘削(株)(負債904億7,300万円、東証1部)の1件(前年2件)にとどまった。
上場企業倒産状況: 東京商工リサーチ

上場企業数(3,764社)に対する倒産件数(1件)の割合を試算してみると、

1÷3,764=0.02%になります。

一方、2018年の全国企業倒産件数は、同じく東京商工リサーチのデータでは8,235件です。

2018年の全国企業倒産(負債総額1,000万円以上)は8,235件、負債総額が1兆4,854億6,900万円だった。
2018年(平成30年)の全国企業倒産8,235件:東京商工リサーチ

2018年の日本全体の企業数は約421万社。上場企業を除いた企業数をざっくり約420万社と見たら、単純に計算してみると、

(8,235ー1)÷420万=0.19%となります。

0.02%(上場企業の倒産割合)と0.19%(上場企業以外の倒産割合)で比較すると、1桁変わってきますね。

もちろん、8,234件の倒産件数の中に、上場企業を除いた大企業(※日本の大企業数:約1万社)に当たる企業もあるのかもしれません。しかし、それを見積もって除いても、倒産割合はそんなに変わりません。

こうやってみると、大企業のほうが中小企業に比べて、安定していると言えます。

私の実体験からも大企業は安泰

私が新卒で就職活動を始めようとしていた1990年代後半、北海道拓殖銀行や山一證券といった大企業が倒産していきました。

20年前、学生だった私は、大企業なんて潰れるとは思っても見なく、倒産のニュースを見ては「大企業が安泰している時代は終わったなー」と若いながらに思ったものです。

そんな気持ちを持っていたため、新卒で大企業に入社した後も、売り上げ至上主義の会社に、漠然とした恐れを感じ続けまた。そして、

「うちの会社、このままだと不良債権がかさむだろう・・。」
「もしかすると山一證券と同じ運命になるかもしれない・・・。」
「10年後には倒産だな。いや5年もてばいいほうだな・・・。」

などと不安が拭いきれませんでした。結局、会社の先行きに対する不安に耐えきれなかったので、1年半で会社を退職してしまいました。

ところが、私が抱いた不安とは裏腹に、その会社は10年経っても倒産しませんでした。それどころか20年経った現在、会社の売り上げは、今なお伸び続けています!(笑)

安直に「大企業は安泰じゃなくなった」と思ってしまったことが、いかに間違っているのかを、心の底から実感しましたね。(※反省!)

かたや一方で、新卒で入社した大企業を辞めた後、複数の中小企業で働きましたが、給料や休みの日数などの条件は、その大企業を上回ることはありませんでした。

そして、勤務した中小企業の中には、倒産してしまった会社もありました。

いやねー、ほんと中小企業って、簡単に潰れますよ(笑)

もう、ハッキリ言いますね。安定性は大企業の方が抜群です。中小企業との比較になりませんから!

もし、あなたが大企業で働く選択肢があるのなら、安易に捨てるべきではないと主張します。

働くことに大きな問題がないのなら、正社員・派遣社員に関わらず、大企業で働いた方がいいと、実体験から私は思います。大企業を強くオススメしますよ。

大企業が安泰なその他の理由

倒産件数が比較的少ない理由以外にも、次のような理由が挙げられます。

  • 不動産や株式を多数保有
  • 内部留保がかなりある
  • 資金調達が容易
  • 知名度があり世界戦略で生き残れる

大企業って、想像以上にお金・技術・ネットワークを持っているんですよ。ブランドなんかにしてもそうです。

勤めている会社がどれくらいの資産を持っているかを把握した上で、大企業での就職や転職を考えた方がいいですよ。

ちなみに、私がつい最近まで派遣社員として働いていた大企業も、売り上げは毎年下がっていましたが、財務的には「超」がつく優良企業でした。

その会社の財務状況はこんな感じです。

  • 不動産業で数十億円の営業利益を確保
  • 持分法関連会社からの利益が数十億
  • 内部留保が約数千億円
  • 有価証券の含み益は1000億円以上

これらに加え、借入金がゼロだったので、資金繰りは全く問題はありませんでした。(※もちろん今でも問題はありません。)

その大企業でさえも、売り上げが低迷しているため、早期退職制度が10年以上前から実施されてきたんですが、正直、正社員の高い年収や退職金など下げる余地があることがあることを考えると、まだまだ生ぬるいのです!

いまだに在籍する正社員の平均年収1000万円ですからね(笑)

ま、コスト削減に対応してきたのは、私のような給与が低い派遣社員や契約社員かと考えると、ちょっと複雑な気持ちですけども・・・(笑)

「大企業の安泰な時代が終わった」は昔から

「大企業の時代が終わった」は昔から!

「大企業の安泰な時代が終わった」は昔から

私の実体験でも言いましたが、実は「大企業の安泰な時代が終わった!」という話、20年以上前から言われていたことなんです。

20年前は、不良債権問題で景気が冷え切っていた状態でした。40代以上の人はわかっていますが、リーマンショックの景気よりも深刻だったんです。

当時の誰しもが、銀行なんて潰れるとは思っていなかった時代でした。

そんな時代を知っているからこそ、「大企業の安泰な時代が終わった!」なんていう言葉を聞くと、私からしたら、

「今更、何言っているの?」って感じです(笑)

1990年代の後半を知っている人(40代以上)であれば、大企業が絶対的に安泰じゃないこと、おそらく理解しているはずですから。

もちろん、その時代を知らない人からすれば、「大企業って安泰じゃないの?」と思う人もいるかもしれません。

しかし、今の30歳前後の人などの多くも、リーマンショックで大企業が潰れた現実を知っています。

そう考えると今更ながら「大企業の安泰の時代が終わった!」なんて言うのは、改めておかしいと感じます。

「今まで気づかなかったのかよ!」って感じです。(笑)

結局、だいぶ前から「大企業の時代は終わった」と言われつつも、しぶとく大企業の多くは生き残っているんですよね。

何だかんだ言って、大企業は強く、やっぱり安定しているんですよ。

早期退職や事業再編も昔から

冒頭の記事で示した早期退職実施による人員整理も、昔からありました。

リストラ専用の部屋を用意し、自主退職に追い込む手口なんて、20年以上前からありましたね。その他、子会社や関連会社に出向させて、人員整理を図ることもよくあります。

1999年に放送された「彼女たちの時代」というドラマなんか、35歳で関連会社に出向させられる様子を描いています。(20代の頃にこのドラマを見たときは衝撃でした。)

あと一般的には語られませんが、ある一定以上の年齢になると、子会社や関連会社に転籍させて、若返りを図る方策も、実際、名だたる大企業(大手の商社、銀行、メーカーなど)で行われています。

昔から、表面的には見えないような形で、転籍などで人員整理を図ってきたんですよ、大企業は!

ちなみに大企業の事業再編なんて、20年前どころか、もっと昔からです。

それこそ、戦前・戦後の時期に、花形産業であった繊維・鉄鋼・造船・重化学工業などの企業なんて、事業再編を繰り返し、今、生き残っているわけです。JRだって、国鉄から民営化されるにあたり、かなりの人員整理が行われたんですからね。

バブルの頃に花形と言われた銀行だって、バブル崩壊で不良債権で苦しみ、事業再編に伴って、10行あった都市銀行が4行になりました。

大企業の早期退職や事業再編に伴う人員整理は、ここ最近のものではなく、昔からよくあったことなんです。

結局のところ、事業再編などを繰り返した結果、生き残り、その業界の寡占企業となったわけです。

この前提を踏まえると、大企業の業界では、将来的には競争が起きる可能性は少ないとも取れるわけであり、日本国内だけでみれば、寡占企業になっている大企業はかなり安泰だと捉えられます。

早期退職制度に驚き、「大企業の安泰な時代は終わった」なんて言っている人は、その内情や過去の歴史、寡占企業の安定性を知らない人だと思います。

大企業が潰れて困るのは中小企業や個人事業主

「大企業はオワコン!だから、これからは個人の時代だ!」

インターネット上の記事では、こんな感じでよく言われていますね。(特にネットで生計を立てているフリーランスがよく言っています。)

でも、これ、はっきり言って間違っていますからね。決してそんなことはありません。

だって、大企業が潰れて一番困るのは、中小企業や個人事業主なんですから。

多くの中小企業や個人事業主(フリーランス)は、大企業からの下請けや広告料で生きています。

下請けや広告料がなくなって困るのは、他ならぬ、「大企業の時代が終わった!」と叫んでいる個人事業主(フリーランス)自身なんです。

少なくとも、大企業が存在しているからこそ、中小企業や個人事業主(フリーランス)も生き残っていけるわけです。つまり、大企業の安定性は、中小企業や個人事業主(フリーランス)よりも高いことはいうまでないことなのです。

「大企業が安泰した時代は終わり、これからは個人の時代だ」という言葉が、全く的を得ていないことがよくわかります。

大企業が安泰な時代は終わったの?【まとめ】

大企業が安泰な時代は終わったの?【まとめ】

これまで述べてきましたように、やっぱり大企業は中小企業に比べるとまだまだ安泰です。

大企業の早期退職制度なんて、余裕がある証拠ですからね。

それにひきかえ、中小企業やベンチャー企業なんて、早期退職制度なんて悠長な余裕ないです。資金が厳しくなったら、即終了です。

どっちが安泰か言ったら、やっぱり、大企業に決まっていますよ。潰れる確率は低いですし、早期退職制度があっても、すべての人がリストラされる訳ではありませんからね!

もちろん、大企業に入社しても、すべての人が一生涯、会社での身分が保証されるわけではないですよ。定年まで、ぼうっと過ごせるほど、大企業の仕事は甘くはありませんので。

じゃあどうすればいいのかって話ですが、単純な話、大企業の中で生き残ればいいだけのことなんです。

大企業内で生き残る厳しさがあっても、中小企業やベンチャ企業が潰れやすいことに比べたら、全然マシですから!

また、これまで、過去の大企業にも事業再編が度々あったことからも、終身雇用なんてなかったことは明白です。

大事なことは、表面的な言葉に踊らされず、大企業の実情を把握し、知られざる過去の歴史を踏まえて、自分なりに未来に向けて行動することです。

「大企業でも安泰な時代じゃなくなった!」と不用意な言葉に煽られて、大企業の選択肢を捨ててしまうと、大きなメリットを失いかねませんよ。

特に昨今は、フリーランス(個人事業主)という働き方が知られるようになった分、大企業を安易に辞めてしまう人も多いです。

大企業を辞めた後に、大企業の良さに気づく人も、実は多いのです。

私もそのうちの一人かもしれません。・・・ただ、後悔はしてませんからね(笑)

ぜひ本記事を参考にして、巷に聞く「大企業は安泰な時代じゃなくなった!」という言葉を安易に受け止めず、冷静に判断してもらえればと思います。