派遣社員とアルバイトの違いは?【実体験から6つの違いを解説】

派遣社員とアルバイトの違いは?

「あんた、バイトいつまで続けるつもりなの?」

派遣社員だった当時、私の母親から言われた言葉です。

正社員でしか働いたことがなく、また、派遣社員の仕事がどういったものか知らないと、

「派遣社員=アルバイト」といった図式で、短絡的に判断するのだと思います。

私自身も、派遣社員の実態をよく知らない頃は、

「派遣は長くは続けられないから、アルバイトと変わらない」

とすら思っていたくらいですからね。

実際、20年以上前なんて「派遣社員は35歳で定年」とよく言われていました。

しかし、私が30代後半で未経験で派遣の仕事に就いた後は、「派遣社員の35歳定年説」は、まるっきり嘘だとわかりましたね。

大手企業の一部の派遣事務職を除けば、35歳で定年なんてまずありません。

それどころか、35歳で派遣社員をクビにしていけば、派遣会社の運営なんて成り立ちませんからね(笑)

派遣で働くようになってから、派遣の実態がよくわかりました。

もちろん、派遣社員とアルバイトとでは同じ部分もありますよ。ただ、就業上の条件などを考えると、派遣社員とアルバイトとでは、違う点がかなり多いです。

本記事では、私が派遣で働いた実体験を踏まえて、派遣社員とアルバイトの違いをまとめてみました。

「派遣社員なんて、アルバイトと一緒では?」と思うあなたに、違う6つの点と共通点を解説します。

派遣社員とアルバイトの6つの違い

派遣社員とアルバイトの6つの違い

派遣社員とアルバイトで違う点は以下の通りです。

  1. 時給が違う
  2. 雇用主が違う
  3. 専門性など仕事のスキルや難易度が違う
  4. 実務経験になる・ならない
  5. 交通費支給がある・なし
  6. 就業日数・時間での調整が違う

以下、解説します。

1.時給が違う

同じ企業で体験した時給の差は1.23倍

時給で給与計算される点では、派遣社員もアルバイトも同じです。でも、同じ時給制でも、派遣社員とアルバイトとでは、時給の金額が大きく異なります。

一般的な派遣社員だと、時給の全国平均は大体1,500円程度。それに対し、アルバイトだと、時給の全国平均は大体1,000円程度です。比率でいえば、1.5倍違うわけですね。

もちろん、時給は地域や業種によっても変わってきますので、一概には言えません。ただ、それでも多くの地域や業種では、派遣社員の方が高いと思われます。

実際、私が某大手企業で派遣社員として働いていた時には、最初の時給は1,600円でしたが、その企業で直接採用していたアルバイト(学生)の時給は1,300円でした。

アルバイトの時給にしては、かなり高いほうだと思いますが、それでも、同じ会社で見た場合では、比率にして派遣の時給の方が1.23倍高いです。

時給の差に見る月額の差

時給が数百円の差であっても、同じ時間だけ毎月働けば、月額では大きく変わってきます。

1日8時間労働(休憩1時間)で、1ヶ月に20日間働く場合、時給が100円ごとに違えば、月額だと以下のように変わってきます。

時給の差 月額での差
100円 14,000円
200円 28,000円
300円 42,000円
400円 56,000円
500円 70,000円

時給が500円違えば、毎月7万円変わり、年間にすると、84万円の差です。

もちろん、派遣社員とアルバイトとでは、仕事内容や就業時間など条件が異なりますので、簡単な比較はできません。ただ、フルタイムで働ける人が、同じ時間だけ働くことを考えると、明らかに派遣社員の方がトクであることがわかります。

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単純に派遣社員とアルバイトとを、同じものと見なすことはできませんね。

2.雇用主が違う

派遣社員の雇用主は、派遣会社(テンプスタッフやリクルートスタッフィングなど)であるのに対し、アルバイトの雇用主は事業主です。

たかだか雇用主が変わるだけのことなんですが、実は、この差って結構大きいです。

派遣社員で働いたことのない人は、

「え?雇用主が変わるだけの話でしょ?大した違いはないのでは?」

と思うはずです。

でも、雇用主が違うことの意味って、派遣社員のメリットを理解している人にとっては、周知の事実です。

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事業主が雇用主って、基本、正社員と同じです。業務遂行上、事業主との間で、パワハラ・セクハラなどのトラブルが発生すれば、トラブル解消のため、自ら交渉をしなくちゃいけないんです。

例えば、アルバイト先の管理職に、セクハラされていたとすると、その悩みを相談するには、その管理職を管理するもっと上の立場の人に相談しなくちゃいけないんです。コンビニだと、本部に問い合わせするとかですね。

悩みを解消するのに、かなりハードルが高く感じませんか?

これが派遣社員だと、間に派遣会社が入り、相談に乗って、悩み解消のために、自分の代わりに事業主に交渉してくれます。

もちろん、嫌ならアルバイトなら、すぐに辞めればいいんじゃないかとは思います。

ただ、すぐにやめられない場合には、悩みや不安の解消のために、客観的に入ってくれる派遣会社の存在意義って大きいと思うんです。

雇用主が違うことの意味って、かなり大きいと言わざるを得なく、派遣社員とアルバイトでは違うんだとハッキリ言えます。

3.専門スキルなど仕事の難易度が違う

労働の対価(時給)が違うことからもわかる通り、専門スキルといった仕事内容の点で、大きな違いが見られます。

通常、派遣会社に登録する際には、それまでの職務経歴が重要視されます。そして、派遣社員として就業する際には、経験を活かした職種に就くことが多いです。

例えば、仕事で英語を使った経験があれば、英語を使った仕事が紹介され、また、プログラミングを学び、そのスキルがあれば、エンジニア職を紹介されるといった感じです。

一方、アルバイトでは、内容からして専門性や高度なスキルをそこまで求めないことが多く、大抵の場合、未経験で始めることが多いです。

実際、募集要項に実務経験が必須とされている企業はかなり少ないじゃないかと思います。わかりやすい例だと、人手不足が深刻な外食産業(ファミレス)や小売業(コンビニ)などですね。

こうしたことからもわかるように、仕事の難易度からして、派遣社員とアルバイトでは、大きな違いがあるのです。

4.実務経験になる・ならない

実務経験になる・ならないかの点で、派遣社員とアルバイトでは、大きな違いが出てできます。

これは、前項で説明した「専門スキルなど仕事の難易度」からくるものです。

例えば、派遣社員から正社員に転職する時、派遣社員の就業経験を実務経験としてみる会社は多いです。

これは派遣社員に専門的スキルがあることから、専門スキルが実務経験として認められることから言えるためです。

一方、アルバイトの場合、業務が単純作業であることが多いです、このため、就業経験があっても、企業が専門的スキルがあると見なさないことも多いです。

私の実体験でも実際に、アルバイト経験を転職面接で伝えても、実務経験として認める企業は少なかったです。また、派遣会社の登録でもアルバイト経験はカウントしないという派遣会社もありましたね。

もちろん、派遣社員の就業経験自体を、実務経験にカウントしない企業もあります。この点は、企業によって異なるので、一概には言えません。

ただ、それでもやっぱり派遣社員の就業経験の方が、アルバイトよりも重視される傾向があると思います。

この違いを踏まえると、派遣社員とアルバイトとでは大きな違いがあると言えます。

5.交通費支給がある・なし

派遣社員の場合、通常、交通費が出ません。一方、アルバイトの場合、大抵の場合、交通費が出ます。

ただ、この交通費が支給され、良さそうに見えるアルバイトなんですが、企業の中には、交通費支給に上限を設定しているところも・・・。

また、毎月の給与は、通常、アルバイトより派遣社員の方が高いですので、派遣社員の時給に交通費が含まれていると考えると、必ずしも派遣社員よりアルバイトの方がいいとは言えません。

交通費支給に関しては、表面的に違いはありますが、実情で見れば、大きな違いはないように思います。

6.就業日数・時間での調整が違う

派遣社員の場合、通常のフルタイムの仕事だと、個別の事情に合わせた、就業日数・勤務時間の調整ができません。

派遣の仕事は、平日の日中に行う仕事が多いですからね。もちろん、お子さんがいる人などは、週2〜3日の時短勤務ができる仕事もあります。しかし、基本はやはりフルタイムの案件がほとんどです。

したがって、高校生や大学生では、基本、派遣社員になることができず、高校生や大学生がもし仕事をするのならば、必然的に就業日数・時間で調整ができるアルバイトとなります。

就業日数・時間で調整できる点は、アルバイトに軍配が上がります。アルバイトの求人条件などを見ると、「週2〜3日でも可」「1日3〜4時間でも可」という条件、多いですからね。

派遣社員だと、こうした就業日数・時間で調整することは、難しいです。お子さん小さく、手がかかる場合などは、就業日数・時間で調整できるアルバイトを選択することに多いかと思います。

なお、派遣で禁止される日雇い派遣では、逆に高校生や大学生しかできません。この場合、高校生や大学生でも派遣社員とになります。

派遣社員とアルバイトの共通点はある?

派遣社員とアルバイトの共通点はある?

派遣社員とアルバイトの共通点

派遣社員とアルバイトとの共通点は、端的に「時給制で不安定」な非正規雇用という点です。

派遣社員とアルバイトを同じだと言っている人は、おそらくこの「非正規雇用」を指して言っているのではないかと思います。

確かに派遣社員もアルバイトも、時間給で働く有期雇用です。不安定と感じるのはもっともですね。

でも正社員だって同じかも・・

その一方で無期雇用の正社員だと、給与は月給制で簡単にクビにすることができません。安定性を考えたら、正社員はバツグンなわけです。

でもですね、労働という時間の切り売りで考えれば、実は、正社員だって派遣社員やアルバイトと同じじゃないかと私は思うんですね。

一説によると、サービス残業分の時間を含めた時給換算した正社員の時給は1,500円を切るようなことも・・・。

さらに、正社員の特権である無期雇用も、早期退職制度やリストラ、会社の倒産などを踏まえれば、有期雇用と取れないこともありません。

確かに昔は正社員の雇用は安定していたかもしれません。しかし、経済が低成長の時代の今、確実に安泰であるとは言いにくいです。

定年退職するまでその企業が向こう30〜40年間存続してくれる確実な根拠って、今は残念ながら「ない」と私は思っています。

仮に奇跡的にも存続しても、業績悪化でボーナス下げられたりリストラされない保証なんてありませんからね。

そうなると雇用が安定される保証って、確実にあるとは言えないわけで、正社員も派遣社員もアルバイトも、そんなに変わらず、同じように思えます。

派遣社員とアルバイトの違いのまとめ

派遣社員とアルバイトの違いのまとめ

派遣社員とアルバイトは違うってこと、わかってもらえましたか?

派遣社員を気に入っている私としては、改めて声を大にして言いたいです。

「派遣社員とアルバイトは全然違うぞ!」ってね。

ちなみに、派遣で働く人の多くは、派遣社員とアルバイトは違うものとして、プライドを持って働いている人が多いかと・・・。

そうやって頑張って派遣で働いている人に対して、

「派遣とバイトって、同じじゃないの?」って言うと、気分を害する人も中にはいますのでね。言葉には注意してくださいね(笑)

いまだに世間一般では、派遣社員とアルバイトを同じものとして捉えている風潮が見られますので、ぜひ、本記事がその風潮が変えられるきっかけになってほしいと思います。

なお、派遣社員にしようか、アルバイトにしようか迷っている人は、未経験云々よりも、就業日数・時間で調整を基準にして考えてみるとよいですよ。

未経験であっても派遣社員で働けることも結構多いですので。

派遣社員・アルバイトの良き選択をして、楽しい仕事ライフを実現してくださいね。