銀行から半年ごとに送られてくる「返済予定表」を見て、みなさん、こんなふうに思っていませんか?
もちろん、銀行への金利引き下げ交渉は、やり方次第で可能です。
ただ、どれくらいの金利なら、損せずにすむのか、事前にわかっておきたくないですか?
わかっているだけで、引き下げ交渉って、立場が大きく変わってきますからね!
金利交渉に役立つ「交渉金利」の計算、あなたのためにまとめましたよ。
借り換えしないで損しないせずにすむ「交渉金利」、あなたのローン返済に役立てれば幸いです。
目次
交渉金利の計算例
一つの計算例を示します。
前提条件(借り換え前)
- 都市銀行で当初3,000万円を借入(35年・元利均等返済)
- 変動金利(適用金利):1.225%
- 現在の借入残高:2,350万円
- 残りの返済年数:26年(回数:312回)
ネット銀行で借り換えをシュミレーション
ネット銀行の借り換えシュミレーションで諸費用の概算を出します。今回は概算で80万円とします。
登録免許税 | 97,200円 |
印紙代 | 20,000円 |
事務手数料 | 524,880円 |
司法書士報酬 | 100,000円 |
諸費用合計 | 742,080円 |
借り換え後の想定条件
- 変動金利(適用金利):0.457%
- 予定返済年数:26年(予定返済回数:312回)
- 予定借入金額:2,430万円(借入残高2,350万円+諸費用80万円)
諸費用込みの借り入れ金額で、借り換えをするとします。上記金額を以下のような返済額が試算できるサイトで入力し、借り換え後の毎月返済額を試算します。
参考 返済額の試算住宅ローンシュミレーション・住宅保証機構株式会社試算の結果、借り換え後の毎月返済額は82,618円 になることがわかります。(26年間の返済総額は25,776,867円)
交渉金利をエクセルで算出
まず最初に、エクセルでA1〜A4の欄に、返済年数、借入残高、毎月の返済額、交渉金利を文字入力します。
次に、B1・B2・B3・B4の欄に、下の数字と計算式をそれぞれ入力します。
B1に26(予定返済年数)
B2に2,350(借入残高)
B3に82,618(借り換え後の毎月返済額)
B4に =RATE(B1*12,-B3, B2)*12 を入力(もしくはコピペ)
結果、交渉金利が算出!
B4で自動計算された数字0.72%が、いわゆる「交渉金利」です。
現在借りている銀行が、0.72%以下の数字を提案してくれば、同じ銀行内で金利引き下げした方が有利になり、逆に0.72%以上の数字だと借り換えの方が有利となるわけです。
借り換えで保証料の返戻を想定
借り換えによって、保証料が20万円戻ってくることも想定しますね。
(※保証料返戻は、銀行や経過年数、保証年数によって変わってきます。戻ってこないケースもあります。)
今回の試算では、わかりやすくするために借入残高から差し引きました。このとき、借り換えの予定金額は、
2,350万円(借入残高)+80万円(諸費用)ー20万円(保証料)=2,410万円
返済額の試算サイトで、予定借入金額2,410万円・26年返済・金利0.457%でシュミレーションをしてみます。
試算の結果、毎月返済額は81,938円になるとわかります。
この81,938を、エクセルのB3に入力すると、交渉金利が0.655%と算出されます。
エクセル設定【補足説明】
エクセル設定【補足説明】
エクセル設定の補足説明です。
①は借り換え後の返済年数、②は現在の借入残高です。
③は借り換え後の毎月返済額で、算出方法は以下の通り。
現在の借入残高+借り換えの諸費用ー保証料の返戻金=借り換えの予定金額
この借り換えの予定金額と、借り換え後の金利と、予定返済年数とを使い、借り換え後の毎月返済額を返済額試算サイトで算出します。
①、②、③がわかれば、数字をエクセルに入力するだけです。これで④の交渉金利が算出されます。
返済年数から返済回数に設定変更する場合
①を返済年数ではなく、返済回数にして試算したい場合は、
B4に =RATE(B1,-B3, B2)*12 を入力(コピペ)すれば、回数に合わせた
結果が得られます。
交渉金利のまとめ
「交渉金利」の算出、いかがでしたでしょうか?
ちょっと難しく感じられるかもしれませんね。わからなければ、無理に理解しなくても大丈夫です。
銀行が引き下げ後の金利を提示してくれれば、「交渉金利」なんて知らなくても、金利引き下げ後の金額と、借り換え後の試算返済総額とを比較すれば、どれくらいトクするかが、すぐわかりますので!
ただ、ここ最近、住宅ローン金利の見直しで、自分自身で銀行へ直接金利交渉している人が増えていることを踏まえて、
こんなやり計算方法で、落とし所の金利がわかりますよ!
ということをちょっと伝えたかったので、そういう方に向けて「交渉金利」の算出法を伝えたいと思い、本記事を書きました。
ちなみに「交渉金利」の計算は、あくまで一つの目安であり、私が交渉で使ったものにすぎません。責任は持てませんので、あしからずご了承ください。
そのほか、銀行で金利引き下げが実現できたら、金利変更手数料や印紙代などもかかります。多少、数字は変わってきますので、その点もお忘れなく。
最終的には、金利引き下げができた場合の総返済額と、借り換え後の総支出(返済)額を必ず比較して、借り換えするか否かを決めていただければと思います。
ちなみに、同じ銀行内で金利引き下げがうまくいっても、借り換え後の総返済額を比べてみると、通常は借り換えしたほうがやっぱりメリットは大きいですよね。
この理由は簡単です。
損をしてまでして、銀行は金利を引き下げしようとしないからです。銀行は利息収入で成り立っていますのでね。考えてみたら当たり前です。そんなわけで、住宅ローンの返済額をググっと減らしたいのなら、やっぱり借り換えがおすすめです。
私のおすすめの銀行はネット銀行です。
あなたの住宅ローン返済プランに、ぜひ本記事を役立ててもらえたらと思います。