住宅ローンの頭金って必要?【貯める時間が無駄・気にせず購入を】

住宅ローンの頭金って必要?

こんにちは。元・不動産営業のてつです。

  • マンション買いたいんですけど、頭金10万でも大丈夫ですか?
  • マイホームの頭金、50万しかないですけど大丈夫ですか?
  • 頭金なしでも住宅ローン組めますか?
  • 頭金なしで購入するのって危険ですか?

私が不動産営業の仕事をしていたとき、上記のような質問、お客さんからされました。

頭金が少ないから、マイホームが買えるどうか、みんな、心配されていましたね。

結論から言いますね。はっきり言って、住宅ローンの頭金って、少なくても全然OKです! 場合によっては0円でも大丈夫です!

頭金が少ないケースなんてザラにありますから。頭金がないことを気にしている不動産の営業マンなんてごくわずかですよ。少なくとも私は全然気にしませんでした。

私が実際に扱っていた物件なんかだと、頭金3万円、10万円、50万円、100万円といったケース、よくありました。

もちろん、お客さんからすると、不動産を買うなんて、一生に一度のことですから、頭金の金額に不安になるのは当たり前です。

この不安の原因って、おそらく書籍やネット上の記事のせいじゃないでしょうか。

  • マイホーム購入には頭金が最低でも2割必要!
  • できれば頭金3割は欲しいところ!
  • 頭金ゼロでの購入は危険です!

こんな感じの言葉、書籍やネットで、よく見かけますよね?

はっきり言って、こんな情報、無視しても大丈夫ですからね。こういう情報って、ファイナンシャルプランナーや住宅ジャーナリストとか、不動産の実務をやっていない人が言っている言葉ですので。

現実にマイホームを購入している人って、頭金少ない人ってかなり多いので、全然気にしなくて大丈夫です。特に20代で購入する人なんて、働いてまもなく、お金が貯まっておらず、0円の人も多いです。

もちろん、あればあるほど越したことはありませんが、だからと言って、頭金が少なくても、不動産が買えないなんてことはないのです。

頭金が少ないことに不安を感じるあなたへ、記事としてまとめました。長文になってしまいましたが、あなたの不安解消に役立てれば幸いです。

頭金が2割必要なのは金利が高いはるか昔のこと

金利が高いはるか昔

昔の住宅金融公庫の融資条件では頭金2割だった

頭金2割が必要だったのは、はるか昔のことです。

30年以上前、住宅ローンを扱っている金融機関といえば、住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)しかありませんでした。

当時、住宅金融公庫が融資する条件には、購入物件価格の8割までというルールがあったのです。それで、残り2割を頭金(現金)として準備しなければならなかったのです。だから「頭金2割」が必要だったんですね。

ところが現在の住宅ローンは、住宅金融支援機構のみならず、民間の銀行なら、どこでも扱われるようになりました。

銀行のパンフレットやHPを見てもらえばわかりますが、融資条件に「頭金2割」なんて言葉、見かけません。

住宅金融支援機構が扱うフラット35ですら、融資比率(借り入れ:9割超10割以下)を条件としているくらいです。

だから今は、必ずしも頭金2割なくてもいいのです。

昔は融資金利が高かった

30年以上前は、バブル崩壊直後でも、融資金利が5%と高かった時期がありました。

金利が高ければ、毎月の返済額が膨れ上がります。

例えば、年収500万円の人で、3,000万円を35年返済で借りる場合を想定してみますね。

金利5%の場合(昔の金利)

毎月の返済額は15万円。年間だと15万円×12ヶ月で180万円で、年間の返済負担率は36%となり、かなりキツイです。

金利5%の場合に頭金2割(600万円)を入れる場合

金利5%の時に、頭金2割を入れると、借入額は2400万円になります。毎月の返済額は12万円。年間だと12万円×12ヶ月で144万円で、返済負担率は29%になり、先ほどに比べると余裕が出てきます。

金利2%の場合(今の金利)

毎月の返済額は10万円。年間だと15万円×12ヶ月で180万円で、年間の返済負担率は24%です。金利5%の時で頭金がある場合と比較しても、かなり余裕があることがわかります。

つまり、こうした高い金利が背景にあったことで、返済負担率を抑えるには、逆に、頭金2割を入れなければならなかったのです。

現在は史上最低の低金利だから頭金不要でOK

現在は史上最低の低金利です。融資では、頭金不要としている銀行がほとんどです。しかも、融資額(借入可能額)は銀行の審査金利によって決められるので、かなりの余裕がでてきます。

結局「頭金は2割必要」と言っているのは、バブルの頃に学んだ状況に引きずられたまま、進化せずに叫んでいる人の言葉なんですよ。

言ってみれば、一部の専門家が、現在の不動産実務を知らないまま、はるか昔の考え方に執着しているだけなんです。

頭金◯割に明確な根拠はない

明確な根拠はない

ちまたのファイナンシャルプランナーや住宅ジャーナリストといった住宅ローンの専門家は、いまだに

「頭金(自己資金)は2〜3割、用意しなさい!」

と言っていますが、はっきりいって頭金◯割には全然根拠がありません。

例えば、年収1,000万円の人が2,000万円の物件を購入するのに、頭金2割(400万円)が必要だと、あなたは思いますか?

2,000万円を10年返済で1%で借りた場合、毎月の返済額は17.5万円です。年間だと210万円。返済負担率は21%です。かなり余裕があります。

こういう場合って、頭金がなくても、全く問題ないって、あなただって思いますよね?

逆に、年収500万円の人が1億円の物件を購入するのに、頭金3割(3000万円)あれば、購入できると思いますか?

頭金3割(3,000万円)入れても、7,000万円借り入れができなければ、購入なんてできません。

年収500万円の人に、7,000万円を融資してくれる銀行ってあるのでしょうか?

ハッキリ言うと、どの銀行もそんな金額では融資しませんよ。年収500万円の人が借りられる金額は、多くても4,000万円が限度です。

住宅ローンの専門家が言っている「頭金○割が必要!」って、意味がないことがわかりますよね。

頭金○割なんて言葉を信じていたら、それこそ、人生設計に支障が出てくるだけです。

信じていたら、一生、家なんて買えませんからね。

大事なのは「借入可能額」と購入物件の価格

大事なのは「借入可能額」と購入物件の価格

頭金にそれほど意味がないことがわかった上で、把握しておきたい重要なことが2つあります。
それは・・・

  1. 自分が銀行から借りられるお金(借入可能額)はいくらなのか?
  2. 購入したい物件価格は、借入可能額内に収まっているのか?

です。

頭金によらず、購入できるかどうかは、銀行が決める「借入可能額」によって変わってくるのです。この「借入可能額」内に、きちんと予算がおさまるのであれば、頭金は、基本的に必要はありません。

住宅ローンの借入可能額はどう決まる?住宅ローンの借入可能額はどう決まる?【年収別にまとめてみた】

つまり、頭金0円でもマイホームは購入できるのです。

例えば、年収500万円の人が銀行(審査金利4%・返済負担率35%)で借りるとき、借入可能額は3,290万円です。この3,290万円の中で、購入したい物件価格がおさまれば、頭金がなくても購入できるのです。

ちなみに、借入可能額のおおよその目安は、年収の6倍〜6.5倍くらいと思ってもらえればわかりやすいです。諸費用まで含めると、6倍くらいで見ておくのがベターでしょう。

補足までに申し上げておくと、購入にあたっては諸費用がかかります。大まかに次のようなものです。

一般的な費用

ローン契約印紙代・固定資産税・登記費用・保証料・事務手数料・修繕積立基金(マンションの場合)・仲介手数料(仲介の場合)・火災保険料など。

その他費用

引越し費用・リフォーム費用など

注意
これらの諸費用、銀行によって範囲は変わってきます。利用しようとする銀行で、諸費用の範囲を必ず確認してください。予算に届かず、購入できないこともありますので。

頭金がないとダメなの?

頭金がないとダメなの?

ちまたの「頭金を入れず、ローンを組むことにダメ!」とされる考えに対して、私がなくても大丈夫な理由を説明します。

頭金がないと返済負担率が上がってしまうからダメ?

前項でも述べましたが、融資金額(借入可能額)は銀行独自の「審査金利」と「返済負担率」によって決まります。(※審査金利や返済負担率は、銀行によって変わります。)

例えば、審査金利4%・返済負担率35%だと、年収500万円の場合、借入可能額は3,290万円です。(※35年・元利均等返済)

もし、3,290万円を頭金0円で借りるとすると、どうなるのでしょうか?

都市銀行で変動金利(0.625%)で借りたら、毎月の返済額は8万円です。年間の返済額は95万円で、返済負担率は19%です。一般的に、返済負担率は25%内が好ましいとされる中で、20%をきっているのは、かなり余裕がある証しです。

一方で、35年の全期間固定金利(1.6%)で借りても、返済負担率は22%です。この場合も、特に問題はありません。

よく「頭金がないと危険すぎる!」と言われますが、審査金利と返済負担率で考えると、全く問題は生じません。

この返済負担率がまだ高いと言うのなら、頭金は多ければ多いほど良いことになります。

返済負担率を下げるために、限りなく頭金を増やしていけば、最終的には「現金で購入しろ!」と言うことになりかねません!

当たり前ですが、頭金をどんどん増やせば、返済負担率は下がり、リスクだって少なくなります。こんな当たり前の理屈、専門家でなくともわかります。

銀行が余裕を持って借入可能額を決めているのですから、さらなる余裕を作るために、時間をかけ頭金を貯めるのなんて、全くもってムダです。

頭金を入れて、返済負担率を下げるのにこだわる必要なんて、全くないのです。

頭金がないと審査に通りにくくなるからダメ?

繰り返しになりますが、借入可能額(融資額)を決めているのは銀行です。頭金の金額次第で借入可能額が決まるわけではないのです。

頭金0円で融資を申し込んでも、借入可能額内なら、住宅ローン審査が通っているケースはあります。

物件価格=借入可能額なら、諸費用を除けば、頭金0円でも問題はないのです。

一方で、頭金が5割あっても、審査が通らないケースはたくさんあります。たとえば、頭金が9割あっても、破産や延滞なの事故歴があれば、審査は通りません。

ローン審査が通る・通らないという判断は、銀行が独自の審査に基づき、申込者の属性を踏まえ、総合的に判断しているものです。

基本的に、銀行の審査と頭金の金額と直接的に関係がないのです。

頭金がないと担保割れで売却できなくなるからダメ?

この考えは確かに一理あります。

新築物件だと購入直後に1割程度下がると言われています。また、中古物件でも購入直後に売却すれば、元金返済が進んでいない段階では、担保割れになる可能性が高いです。

こうなると頭金を入れたほうが良さそうに思えます。

しかし、この担保割れの状態って、購入直後に売却を想定するから、おこりえることです。もし売却を考えないのなら、担保割れのことなんて、考える必要はありません。

多くの人は、終の住処として住宅ローンを組み、物件を購入します。

担保割れは、元金返済が進んでいない購入してまもない頃の話です。10年〜20年経てば、元金返済が進み、担保割れになる可能性はかなり少ないです。

したがって、早期売却を前提としないのなら、担保割れなんて考える必要なんてありません。

頭金がないと家計が破綻するリスクがあるからダメ?

何度も何度も繰り返しになりますが、借入可能額(融資額)を決めているのは銀行自身です。

審査金利4%・返済負担率35%の銀行だと、年収500万円の場合、借入可能額は3,290万円です。(※35年・元利均等返済)

現在、都市銀行の変動金利(0.625%)で借りるとするなら、毎月の返済額は8万円です。年間返済額は95万円になり、返済負担率は19%です。

一般に、返済負担率が25%内なら問題ない水準と言われていますので、家計が破綻するリスクは極めて少ないです。

変動金利についても、諸説ありますが、以下の記事を参考にしてもらえば、家計が破綻するリスクは特段ないと理解してもらえるかと思います。

住宅ローンの変動金利なんて全然怖くないね住宅ローンの変動金利なんて全然怖くないね【悩む時間がもったいない】 住宅ローンの変動金利はリスク大?【いや固定だってリスクあるよ】住宅ローンの変動金利はリスク大?【いや固定だってリスクあるよ】

頭金を入れるメリットはある?

メリット

頭金を入れることにも、一応、メリットはあります。

フラット35を扱う金融機関だと、頭金があると下記のように金利が優遇されます。(2019年3月現在)

住宅ローン金利 ARUHI 住宅ローン | アルヒ株式会社

借入期間 融資比率
借り入れ:9割以下、借り換え:10割以下 借り入れ:9割超10割以下
15年~20年 1.220% 1.660%
21年~35年 1.270% 1.710%

このケースだと、頭金1割以上入れると、金利が0.44%優遇されますので、確かにメリットは大きいです。

金利が0.44%変わると、35年返済で借入3000万円の場合、35年間の利息負担は237万円です。

237万円、35年で見ると確かに大きい金額ですね。

ただ、頭金を貯めるまでの時間やコストを考えると、頭金がない場合と変わりません。

後ほど説明しますが、頭金を貯めるまでの「家賃負担」と「時間」を考えると大きなメリットとは言えません。

また、変動金利で借りるときには、フラット35の優遇幅は関係ありませんので、メリットがあるとは必ずしも言えません。

実は頭金を貯めるリスクがある!

頭金を貯めるリスクはある?

頭金はあればもちろん好ましいのです。しかし、だからといって、貯めるまでの時間を考えると、もったいないです。

実は、頭金を貯める「家賃負担」や「時間」がリスクになるのです。

以下のケースで、住宅に支出した金額を試算してみます。(※かなり単純化しています。)

想定条件

  • 毎月の家賃:10万円
  • 物件価格:3,000万円
  • 都市銀行:全期間固定金利1.6%

3つのケースで考えてみます。

  • ①頭金を貯めずに3,000万円(35年の返済)を借入して購入
  • ②3年間で300万円貯めた後で2,700万円(35年の返済)を借入して購入
  • ③3年間で300万円貯めた後で2,700万円(32年の返済)を借入して購入

①頭金を貯めずに、3,000万円(35年の返済)を借入して購入

毎月の返済額 返済総額 利息総額
93,331円 39,199,414円 9,199,414円

35年間で支出した金額:3,919万円

②3年間で300万円貯めた後、2,700万円(35年の返済)を借入して購入

毎月の返済額 返済総額 利息総額
83,998円 35,279,472円 8,279,472円

ローン返済総額(35,279,472円)に、3年間の家賃(360万円)と頭金(300万円)を足すと・・・

38年間で支出した金額:4,187万円

③3年間で300万円貯めた後、2,700万円(32年の返済)を借入して購入

毎月の返済額 返済総額 利息総額
89,887円 34,516,871円 7,516,871円

ローン返済総額(34,516,871円)に、3年間の家賃(360万円)と頭金(300万円)を足すと・・・

35年間で支出した金額:4,111万円

住宅に支払った金額の差

①は3,919万円(頭金0円・35年間の住宅費)
②は4,187万円(頭金300万円・38年間の住宅費)
③は4,111万円(頭金300万円・35年間の住宅費)

②ー①=268万円
③ー①=192万円

住宅に支払ったコストを考えると、頭金を貯めるまでの「家賃」や「時間」がもったいないなーということがわかります。

さらには、3年の間に増税されることを考えると、上記の差額がもっと開くこともありえます

もちろん、決して急いで住宅ローンを組んで買ったほうがいいとは言いませんよ。

でも、欲しい物件があれば、頭金を貯める時間や家賃を考えれば、予算内(銀行から提示された借入可能額)で購入したほうが、おトクであるとも確実にいえます。

住宅ローンの頭金って必要?のまとめ

住宅ローンの頭金って必要?のまとめ

長文になってしまいましたが・・・

頭金を貯めること、そんな気にしなくていいということわかっていただけましたか?

「欲しい」と思う物件なら、頭金はなくてもためらわずに買っていいのです

もちろん、銀行が提示された借入可能額を超えない予算内での上ですよ。

この点を踏まえれば、頭金の金額なんて問題ありません。

逆に無理して、頭金を住宅ローンに当てすぎた結果、当面の生活の資金繰りに影響が出ることもありますからね。

苦しくなって、ローンが返せなくなるくらいなら、頭金をあてすぎないほうがいいのです。この点をお忘れなく!

ぜひ無理のない資金計画の中で、物件購入・住宅ローンを検討してもらえればと思います。